大分県産業科学技術センターニュース
成果紹介
● 多地点巡回支援システム
● センターフェア2001開催
事業報告
● 県西等技術相談会の開催
● 第60回大分県発明くふう展の開催
● 「W indowsパソコンとマイコンを利用した リモート計測」に関する講演会
● 企業研究者養成研修事業「薄膜形成技術」の取り組み
県内技術トピックス
● ゴミ収集ボックス
「エコ楽ステーション」を共同開発
センターニュース
● 油流出に関する日仏合同セミナー
● 車いすマラソン開会式で竹製車椅子も入場行進
● 第7回アジア鋳物会議にて発表
● 「半導体関連企業ビジネスチャンス研究会」の発足
● 木製履物HPの開設
● ファンゴ視察―イタリア―
● 初めての試み−日田産工試公開−
● パテント・テクノ2001に出展
● 物質工学部会優秀賞受賞−材料開発部 石井 信義−
お知らせ
● 県北地域『技術相談会』の開催について 1,2
3,4
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大分県産業科学技術センターニュース
技術情報おおいた
NO.1
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1.1
2
多地点巡回支援システム
<インターネットプロジェクトオフィス>
機械・電子部 植村和明 ( k [email protected])
材料開発部 斉藤雅樹 ( [email protected])
日田産業工芸試験所 濱名直美 ( [email protected])
大分県・産業技術総合研究所交流研究センター 後藤和弘 ( k [email protected])
(日鐵物流コンピュータシステム大分(株)
課長 杉本広樹)
ポイントカードが山のように入っている財布を目
にすることがありませんか?美容院、ケーキ店、靴
屋・・・。スタンプを集めて景品がもらえる仕組み
は、世の中にあふれています。システムが複雑にな
ると事業者の手間が飛躍的に増えるので、それを解
消する目的で電子化されたものもあります。
代表的なものが、航空各社が展開しているマイレ
ージカードです。これは、参加者側に磁気カード等
の単純かつ安価な個体特定のための標識を携帯させ、
地点側(利用者の訪問地)にカードリーダーなどの
複雑かつ高価な認識装置などを設置し、中央サーバ
ーで登録および認証を行い管理するものです。
点に認識装置および通信回線を整備するには多額の
設備投資を必要とすることや、オリエンテーリング
など野外での企画に活用する場合は風雨や太陽光に
さらされ、電子部品を多用する複雑な装置の設置に
向かないという問題があります。特に地点側が無人
である場合など、高価な装置を設置することは盗難
に遭う可能性やいたずらで破壊される可能性を無視
できません。また、マイレージカードのような通常
の磁気カードにはその時点の到達状況や得点がカー
ド上に表示されないため、参加者が自らの到達状況
や得点を確認したい場合、参加者が事務局に出向く、
電話やFAXなどで自ら照会を行う、事務局から送
務局のホームページにアクセスして本人である認証
を行った後に照会するという、煩雑さを伴う作業が
必要となります。
このように、現在の電子的なサービスには様々な
問題があります。
そこで、産業科学技術センターでは、これらの問
題を解消する携帯電話利用のビジネスモデル「多地
点巡回支援システム」を開発しました(特許出願中.
出願番号:特願2001-194313)。
携帯電話は、2001年6月には国内加入件数が6000 万件を超え、その6割がインターネット対応(iモ
ード、E Z W eb、J スカイ等)という状況にあります。
そこで、携帯端末の近未来を描き、"携帯電話は生活
を 豊 か に す る た め に 必 要 不 可 欠 な 道 具 " と し て と ら
え、高価で大型な地上設置型の読取り機を、各自の
インターネット機能付き携帯電話で代用することを
考 え ま し た 。 い わ ゆ る " 逆 転 の 発 想 " で す 。 我 々 は 、
このシステムを通称" 逆マイレージシステム" と呼ん
でいます。
「逆マイレージシステム」
このシステムは、地点側に暗号(標識)を設置し、
参加者側が携帯電話(認識装置)で暗号を入力・送
信すると事務局に設置された中央サーバーは予め登
録された暗号と照合・認証を行い、ポイントが加算
される仕組みです。認証には、参加者の位置情報を
加味する、暗号を刻々と変化させるなど認証の信頼
性を高める種々の仕組みを付加することも可能です。
このことにより、各地点に高価な認識装置を設置す
る必要が無く、野外など劣悪環境下にも地点を設定
可能な「電子ポイントカード」「電子スタンプラリー」
等が、手軽に構築できます。また、現在のポイント
や 順 位 が 携 帯 電 話 画 面 に リ ア ル タ イ ム に 表 示 さ れ 、
ゲーム性や臨場感が付与されるという大きな効果が
生まれます。
主な用途として、①観光地等でのスタンプラリー 、
②学校等でのオリエンテーリング、③商店街・デパ
ートでのセールや福引きなどが考えられます。
実際の事業に使われている例を紹介しましょう。
「ケータイ温泉道@別府」
このシステムは、本年9月より温泉めぐりスタンプ ラリー「ケータイ温泉道@別府」に試験的に導入さ
れ、現在実証実験中です。
別府の88箇所の温泉に掲示された「合い言葉」を その場で入力すれば、スタンプ画像が携帯電話に表
示される" 台紙の要らない電子スタンプラリー" とし
て、「現在の入湯数や順位がすぐわかる」「抜きつ抜
かれつの競争にハマる」など、好評を博しています。
新たな販促システムと期待する温泉施設や携帯電話
会社等から入湯無料券やタオルなどの景品も提供さ
れています。
ケータイ温泉道@別府のアクセス手順
システムは、当センターのビジネスモデルをもと
に県内ソフトメーカーが制作し、ITを利用した画
期的な観光プログラムとして関係者に注目されてい
ます。携帯各社の公式メニューから登録・参加がで
きますのでぜひお試し下さい。
さ ら に11月 か ら は 、 別 杵 速 見 地 域 の 観 光 施 設 の ス タ ン プ ラ リ
ー"広域観光@別杵速見"(http://
www8.neo-sys.co.jp/kankou)も始 ま り ま し た ( ハ ー モ ニ ー ラ ン ド
で は キ テ ィ ち ゃ ん の ス タ ン プ が
画面に現れます)。
携帯電話利用法の新提案、スタンプも台紙もいら
ないスタンプラリー"ケータイ温泉道@別府","広域観
光@別杵速見"を是非一度おためし下さい。
このシステムの登場は、ユーザーにとってはポイ
ントカードをより身近なものにするとともに、財布
からカードを一掃してくれることでしょう。さらに、
位 置 情 報 や 画 像 認 識 な ど 携 帯 電 話 の 進 歩 に 伴 っ て 、
ビジネス応用の可能性を大きく広げるものと期待さ
■ ユーザーインターフェイス技術に関する催事
来場者の首や指の動作を認識し、反応する装置を
使って、研究を進めているユーザーインターフェイ
スの技術による擬似体験クイズを行いました。
■ 福祉技術に関する催事
大分県・産業技術総合研究所 研究交流センターで
開発した「歩行補助器」(特許出願中)をはじめ、竹
製車椅子の試乗体験や当センターが試作した車椅子
利 用 者 の た め の 「 動 く 家 具 」 の 紹 介 を 行 い ま し た 。
福祉分野にも、新技術やデザインが生かされている
ことに興味を示していただくことができました。
■ 機械技術に関する催事
放電加工機の原理とその利用をわかりやすく紹介
するために、来場者個々が作った模様を放電加工す
る加工実演を行いました。
■ 材料技術に関する催事
金属や木などの身近な材料を実際に触って、重さ
の違いを体験するクイズや形状記憶合金の性質を知
る実験教室を行い、多くの来場者に生活の中で様々
に使われている材料やその技術を再認識していただ
きました。
11月4日(日)、秋晴れの好天のもと「生活を科学 する」をメインテーマに「センターフェア2001」を開 催しました。
センターフェアは、科学技術に携る当センターの
業 務 や 研 究 成 果 を わ か り や す く 紹 介 す る と と も に 、
次世代を担う小・中学生や広く県民の方々に、実験
や体験を通して広く「科学」への関心と理解を深めて
いただくことを目的に、1997年から毎年開催してい るものです。また、1999年からは、「判田公民館文化 祭」会場にシャトルバスを運行し、地域活動と連携
し住民との交流をはかる同日開催としています。
第5回となった今年も、実際に見たり触ったりしな がら体験していただけるよう内容を工夫し、体験参
加型催事13、実演紹介型催事3、展示鑑賞型催事7 の合計23催事を企画しました。
以下、今回のセンターフェアの催事を紹介します。
■ インターネット技術を応用した催事
光ファイバー高速通信網「豊の国ハイパーネット」
を利用して、会場風景や来場者の様子を紹介する生
中継を当センターのホームページから配信するとと
もに、来場者にもフェア会場内や判田地区公民館に
設置したモニターで放映しました。当日、センター
フェア紹介ホームページへは、約150件のアクセスが ありました。
また、インターネットを携帯電話から利用するビ
ジネスモデル「多地点巡回支援システム」の実証事
業やG PS (測地衛星通信)を利用してシャトルバス
の運行状況を知らせるシステムも紹介しました。
■ ロボット技術に関する催事
当センターが開発中の音声を認識するロボットの
デモンストレーションを実施しました。また、県立
芸 術 文 化 短 期 大 学 の 吉 岡 先 生 の ご 協 力 を い た だ き 、
子供達が車型ロボットを各々操縦するロボットサッ
カ ー 体 験 や ペ ッ ト 型 ロ ボ ッ ト の 遠 隔 制 御 も 実 演 し 、
多くの子供たちが関心と興味を示していしました。
センターフェア2001開催
センターフェア2001 屋外風景
■ 化学・物理現象に関する催事
大分県理科・化学教育懇話会の協力を得て、炭と
アルミホイルで電池を作る実験など、子供達に科学
の面白さを伝える実験教室を開催しました。
また、金属塩の種類によって炎の色が変わる炎色
反応の実演や電磁波を推進力にして動く舟の実験な
どで、わかりやすく化学・物理現象の原理を紹介し
ました。
■ 食品技術に関する催事
暮らしの中の身近な食品の香りの役割を知ってい
ただくために、ハーブや醤油、焼酎などの香りを嗅
ぐ感応検査の擬似体験としてクイズ形式で行いまし
た。大人から子供まで、いろいろな香りを楽しむこ
とができ大変好評な催事でした。
■ 木竹製品技術に関する催事
日田産業工芸試験所がこれまでに試作した「木製
はきもの」の試作品展示や展示ホール企画展として
開催中の「竹の宝庫・アジア 生活の道具展」を通し
て木竹製品の多様な生活への関わりを紹介しました。
また、木製はきものや竹の一貫張り製品のものづく
り教室では、親子で製作を楽しむ姿が印象的でした。
■ 製品デザインに関する催事
昨年度の開発事例で製品化されたゴミ収集ボック
ス「エコ楽ステーション」(共同出願中)をはじめ、
製造企業と当センターやデザイナーが共同で製品開
発を行ったデザイン開発事例を紹介しました。また、
クッション材の違いで座り心地を体感できるソファ
で、感性工学的なデザイン手法を紹介しました。
■ 発明やエネルギーの啓発をはかる催事
発明協会大分県支部の協力を得て、「大分県発明くふ
う展」に出品された入賞作品の展示紹介を行いまし
た。また、子供達に発明(工業所有権)や自然エネ
ルギーの大切さを楽しく学んでもらう目的で特許庁
やNE D O等が企画した啓発教材用アニメビデオを上
映しました。
■ この他にも、芸短大の学生の方々による「管弦楽
演 奏 会 」 や 屋 外 で の ス ピ ー ド ガ ン に よ る 球 速 測 定 、
フリーマケット等が行われました。
センターフェア2001の来場者数は1,670名で、年々 増加しています。アンケートの感想でも、「科学が身
近に感じられた。」、「また、来年も来たい。」、「親子
で楽しめた。」など大変好評を得ました。
今後も、「科学」、「技術」、「ものづくり」を通して
本県の未来を創造する啓発活動の一環として、この
センターフェアにより多くの方に来場していただき、
当センターの業務活動の紹介と科学技術の振興に寄
与する機会にしたいと考えています。
(小谷公人 kotani@ oita-ri.go.jp)
きみも挑戦!香りの博士!
炎で虹をつくろう!
将来を担う子供たちに創意、工夫する意欲を養成してもらう「第60回大分県 発明くふう展」を10月6日∼10日までの日程で、大分市荷揚町のアートプラザ で開催しました。小中学校、高校、一般の部に121点が出品され、ユニークでア イディアに富んだ作品が揃い、多くの来場者に見ていただきました。
高校の部での県知事賞には、国東農工高等学校1年の山崎智也君、松木貴弘
君、寺川和毅君ら3人が作った「ブザーチャイルドシート『鳴って守るくん』」
が選ばれました。これは、チャイルドシートのベルトが差し込み口から外れて
も、運転席では分からないため、ベルトが外れるとブザーがなる仕組みを取り付け、危険を知らせるものです。
上位の入賞作品は、来年3月に東京都で開催される全国学生児童発明くふう展に、発明協会大分支部から推薦 する予定にしています。 (小幡睦憲 obata@ oita-ri.go.jp)
産業科学技術センタ−では、県下の企業に対する技術支援体制と連携の強化を図ることを目的に、県内各地で
「技術相談会」を開催しています。
初回の技術相談会を7月に県南地区の佐伯メカトロセンタ−(佐伯市)で開催し、県西地区技術相談会を9月
20日に日田産業工芸試験所(日田市)において開催しました。今回の相談会では、希望指定時間(30分)を設定 し、機械加工・化学環境・材料・木材・デザイン・特許の各分野に分かれて個別の技術相談、意見交換等を実施
しました。相談内容も多岐にわたり、設定時間内では終了できない案件ばかりで今後の検討課題として残りまし
たが、ご希望に沿えたものと考えています。相談会での質問に対しては、関連技術資料の提供や強度試験による
チェックなど引き続き支援に努力いたします。
以後の技術相談会については、県北地区(中津市)等各地において随時実施する予定ですので、気軽にご利用
下さるようお待ちしています。 (玉造公男 tamatuku@ oita-ri.go.jp)
県西等技術相談会の開催
事業報告
ネットワーク技術や無線データ通信を活用することで、離れた場所にある機器
の情報収集(リモート計測)・制御が可能となり、省力・効率化に威力を発揮し
ます。そこで、10月3日、国立大分工業高等専門学校電気電子工学科の兼田護 教 授を迎え、センターにおいてLAN及び無線を用いたリモート計測の入門、最近
の動向についての講演会を開催しました。実習を行うため、参加企業は6社(7
名)としました。実習では企業で広く普及しているイーサネット( E thernet) への接
続端子を備えたマイコンとのデータ通信、利用に際し免許を必要としない特定小
電力無線データ通信等について実演を行いました。また、マイクロソフト社の開発言語、ビジュアル・ベーシッ
クにおけるLAN接続コンポーネント、シリアル通信コンポーネントの使い方などについても実習を行いました。
(小田原幸生 odawara@ oita-ri.go.jp)
「W i
ndow s
パソコンとマイコンを利用したリモート計測」に関する講演会
第6
0
回大分県発明くふう展の開催
本年度募集課題の一つ「真空蒸着装置を用いた光学薄膜形成について」は、企業2社の応募があり研修事業を 実施しましたので、その事例について報告します。対象となる光学薄膜は、A lの真空蒸着膜です。背景としては、
カメラ等に使用されているプリズムやレンズ、ミラーは、保管状態により数年から10年を経過するとカビや腐食 により使用できなくなるケースが発生しています。一方カメラの交換部品は5∼7年でストックがなくなり、こ
れ以降は修理ができません。現状カメラ修理依頼件数の約7割は、こうした修理のできない光学系の不良が占め
ています。そこで、これら光学部品の再生技術を開発することにより、リユース促進や環境負荷軽減も期待され
ます。研修では、腐食により黒い帯状のスジが発生し特性劣化したプリズムに対して、①特性劣化した膜の剥離、
②反射膜・保護膜の成膜、③再生した光学部品の評価の一連のプロセスを確立し、特性劣化のない同社製品プリ
ズム特性とほぼ同程度の透過率特性が得られ、事業化へ向け検討中です。なお、本成果については、10月電気関
平成12年度大分県デザイン活用促進事業の成果として、当センターとタ カキ製作所株式会社(対象企業)と大分県デザイン振興協議会との間で共
同開発した、ゴミ収集ボックス「エコ楽ステーション」を発表しました。
当事業は県内中小企業の独自製品の開発等にデザインを活用し経営資源
として定着する事を目的とし、約半年間で16回の開発会議を重ねました。 現在、集積所の不備による路上の野積みゴミは鳥獣類による散乱など景
観悪化や交通妨害等の原因となっています。また地域の公共設備であるこ
とからユニバーサルデザインの考え方に基づき「安全で誰もが使いやすい」
ことが必要です。
この製品の特徴は、前面と上面が同時に開放する両開き扉にネットを取り付けているため、安全性が高く開閉
操作が片手でも楽にできます。また開口部が最大180cmまで開放できるため、ゴミを入れたり、回収作業も楽に でき、ステンレス製のためメンテナンスも容易です。このゴミ収集ボックスは10月16日∼18日に北九州市で開催 された九州・沖縄中小企業テクノフェア2001に出展しました。現在、特許申請中です。
(兵頭敬一郎 hyoudo@ oita-ri.go.jp)
ゴミ収集ボックス「エコ楽ステーション」を共同開発
県内技術トピックス
1997年に日本海で発生したナホトカ号事故は、過去の原油事故に比べて少ない流出量にもかかわらず大きな被 害を与え、高粘度油事故の対策の困難さを世界に印象づけました。2年後、同様の事故がフランスのブルターニ
ュ沖で発生し風光明媚な海岸が大量の重油で汚染されました。このエリカ号事故を契機に、両国が研究協力を行
うべくフランスのセドレ研究所(C edre)と日本の海上技術安全研究所(NMR I)で交互に開催しているのがこの
セミナーです。今回は10月17日∼19日まで東京・三鷹市のNMR Iで開催され、日本側代表の一人として研究発表 を行いました。フランス側からは、セドレ研究所などから約10名の研究者が参加し、日本側からはNMR Iをはじ め政府機関や企業など約50名が参加しました。油回収やモニタリングなど6つのトピックにつき17の研究発表が 行われ、活発な議論が交わされました。当センターで開発し、県内企業で製造・販売中の「杉樹皮製油吸着材」
につき発表したところ、環境意識の高いヨーロッパの国らしく「使用後はどう処分するか?」という点に質問が
集中しました。現在は安全な焼却処分により処分しているが、さらに環境負荷の小さい方法を研究中であると回
答すると、次回もぜひ発表して欲しいと関心を寄せられました。また、北欧にある松材製の油吸着材と勝負して
みないか?というユニークな質問もありました。油流出対策の先進国である欧米では、州政府や自治体が油流出
対策チームを持つところも多く、大分県をはじめとする日本の自治体でも積極的な体制整備が望まれます。
(斉藤雅樹 m-saito@ oita-ri.go.jp)
油流出に関する日仏合同セミナー
11月10日(土)、大分県立総合体育館で第21回大分国際 車いすマラソン大会の開会式が行われました。当日は、大
分県の木部毅選手が竹製車いすで入場行進し、「大分県選
手団の最後に、木部毅選手が竹製の車いすに乗って入場行
進しております。この車いすは、大分県特産の竹の美しさ
や温かみを生かした、世界で初めての竹製の車いすで、大
分県産業科学技術センターが開発しました。天然素材の肌
触りを持ち、インテリアにもマッチする竹製車いすを、こ
の機会に会場の皆様にご紹介いたします。」という場内ア
ナウンスに、選手や観客の注目を集めました。
開会式終了後、多くの方が竹製車いすの周りに集まって
触ったり試乗し、その感触や美しさに感心していました。
(中原恵 nakahara@ oita-ri.go.jp)
車いすマラソン開会式で竹製車椅子も入場行進
センターニュース
第7回アジア鋳物会議で研究発表を行うため、10月12日∼16日まで台湾台北市を訪問しました。発表内容は 「S tructures and F rictional W ear C haracteristics of C eramic R einforced High Phosphorus C ast Iron B rake S hoes」で、鉄道
制輪子に関するこれまでの研究成果の一部です。当会議は2年に1度、アジア・オセアニア地域を中心に持回り
で開催され、鋳造技術に関する情報交換の場として重要な役割を果たしています。今回はアメリカで起こったテ
ロの影響で開催が懸念されましたが、日本・韓国・台湾・タイ・マレーシア・シンガポール・ベトナムなどのア
ジア諸国並びにアメリカ・ドイツなどから多数の研究者及び技術者の参加があり、活発な技術討論がなされまし た。近年のアジア地域における鋳造技術の向上は目覚しく、台湾のある鋳造メーカーでは5年前と比べて約2倍以 上の売上を記録しているとのことです。台北の街には活気があり、人々は皆、生き生きとしていたのが印象的で
した。今回は始めての海外発表ということでかなり緊張しましたが、異国の文化に触れながら技術交流を行い、
海外から日本の現状を客観的に見ることができ、今後の業務の参考となりました。
(高橋芳朗 takahasi@ oita-ri.go.jp)
第7回アジア鋳物会議にて発表
日田産業工芸試験所では、開設以来、地元企業と共同で木製履物の研究開発に取組んできました。当所には、
こうした研究開発時の参考にと収集した木製履物ならびに研究開発で試作した木製履物があり、これらを併せる
とその数は368点になります。当所の展示室は、残念ながら全ての木製履物を並べるスペースを持たないため、 普段、ほとんどの木製履物は倉庫に保管されています。しかし外部への貸出や当所展示室の展示品入替えなどの
ときは、職員が倉庫の履物の箱をひとつひとつ空けて木製履物を選んだり、また
研究開発時の参考にするときも箱の中の履物を幾つも出して確認するなど目的の
ものを探すときには非常に手間が掛かりました。そこで、簡単に目的の履物を探
すことができるように全ての木製履物の撮影を行ない、当所が所蔵する木製履物
を紹介する「木のはきもの写真館」としてインターネットで公開して、外部と情
報を共有することにしました。木製履物の開発に携わる方、興味のある方はぜひ
ご利用ください。
「木のはきもの写真館」 http://www2.oita-ri.go.jp/~ hitasan/index.html
(濱名直美 n-hamana@ oita-ri.go.jp)
県内半導体関連産業の活性化を図るため、半導体製造各社、関連装置製造各社、材料製造各社、さらには、半
導体を利用する企業各社など、県内の半導体関連企業約40社が集 い、情報交換・意見交換を行う場として「半導体関連企業ビジネ
スチャンス研究会」が発足しました。本研究会は半導体関連企業
といった共通の基盤に立脚し、大分県の特色を生かした支援プロ
ジェクトを創出し、ビジネスチャンスの拡大を図ることを目的と
しています。
第1回の研究会は10月2日(火)、九州経済産業局情報政策課 渋田純一課長を迎え、講演「九州発、半導体イノベーションの創
造−九州シリコン・クラスターの構築−」に続いて、各企業の抱
える課題や現状についての意見交換を行いました。今後研究会を
通して、半導体関連産業の活性化を図る支援プロジェクトを創出していくことになっています。(事務局、(財)
大分県産業創造機構、産業科学技術センター) (鶴岡一廣 turuoka@oita-ri.go.jp)
「半導体関連企業ビジネスチャンス研究会」の発足
木製履物
HP
の開設
別府温泉のいくつかの泉源では、温泉泥(ファンゴ)を湧出しています。私たちは、
このファンゴの理学療法、美容(エステ)等への活用をめざし、先進地のイタリアの
アバノ市へ視察に行きました。アルプス山脈への降水が地下深く浸透し、北イタリア
のユーガニアン地方に豊かな温泉と泥を産出しています。80℃の温泉水中で6ヶ月間 涵養されたファンゴには、特有の珪藻や藍藻類が生育し、これらが分泌する薬効物質
は、リュウマチや骨粗しょう症に効果があることがわかっています。この地方のホテ
ルの多くは、温泉水を含んだ温かい泥を身体に盛りつけるファンゴ施術を行っており、
国内はもとよりヨーロッパ近隣からの療養客で溢れかえっていました。
現在、別府温泉のファンゴは、資源的に限りがあるため、この代用となる有用な粘
土材料の開発に当っているところです。 (宮崎博文 hmiyazaki@ oita-ri.go.jp)
発行 平成 13 年 12 月
〒 870-1117 大分市高江西 1 丁目 4361-10
お知らせ
当センターでは、県内企業の技術開発や商品開発を支援するため、各技術分野の研究開発や技術相談、依頼試
験等を実施しております。そうした業務の一環として、県北地域において標記相談会を下記のとおり開催いたし
ますので、業務ご多忙の折とは存じますが、是非ご利用いただきますようご案内いたします。
なお、中津市工業連合会加盟の方々は工業連合会事務局へ、それ以外の方々は当センターへご連絡下さい。
1.日 時 : 平成13年12月12日(水)、 13:00∼16:00
2.場 所 : 大分県立工科短期大学校 アネックス(〒871-0006中津市大字東浜407-27)
3.相談の日程 : 13:30∼16:00相談会(概要説明等は簡略化し、実務的な相談会を計画しております。) 4.連 絡 先 : 産業科学技術センター企画・デザイン部 T E L .097-596-7101 F A X .097-596-7110
担当:坂下(sakasita@ oita-ri.go.jp) 地域の方に日田産業工芸試験所を知ってもらうと共に、地場
の産業が多様で魅力的であることを感じてもらいたいと、「木と
食の祭典」に併せて、初めての「日田産工試公開」を10月21日 ∼26日に行いました。会場には昭和20年代の試験所設立当時 からの家具、木製はきもの等の試作品を一堂に展示した他、下
記のコーナーを設けて、多くの方に楽しみながら試験所を理解
してもらいました。
・一日木工教室(下駄作りと箱作り:10月21日) ・試験所試作品モニター販売コーナー
・食の提案展示コーナー(木と食の祭典協賛展示)
・4つの研究会紹介コーナー 等
(豊田修身 toyoda@ oita-ri.go.jp)
初めての試み−日田産工試公開−
10月16日∼18日までの間北九州市の西日本総合展示場にて、「21世紀における特許市場の拡大を目指して」 をテーマとして、パテント・テクノ2001(特許流通フェアin九州)が開催されました。このフェアは、九
州内の企業、大学・TLO、国公立試験研究機関、特許流通支援機関等が所有する技術移転可能な技術(特許)
を展示・紹介するものです。66の企業・大学・研究機関等の参加がありました。
センターからは、スタンプラリーやマイレージシステムのような多地点を巡回して状況に応じて特典が得られ
る企画を、本格的な設備投資をせずに電子的に運営・管理することを可能にし、電子的なスタンプラリー、オリ
エンテーリング、福引きなどに活用が期待される「携帯電話による多地点巡回支援システム」:(本号成果紹介
参照)と非接触による回転体への給電装置として活用が期待される「非接触による給電のためのコアタイプ回転
変圧器の特長と利用法」の2つの所有特許を出展しました。直接の特許活用の話とはなりませんでしたが、多く
の方の来場があり、意義ある意見交換をおこないました。 (佐藤哲哉 satotetu@ oita-ri.go.jp)
パテント・テクノ2001に出展
平成13年10月11日に鳥取県で行われた平成13年度産業技術連携推進会議物質工学部会第10回 木質科学分科会において、石井副部長が優秀賞を受賞しました。分科会で発表した「バーク・
木屑の成型及び作物栽培への用途開発」が受賞対象となりました。発表は、開発した成型固形
化技術や、バークを使った試作成型品について紹介しました。
この技術に関しては水素結合やリグニンによる自己融着現象を踏まえて、成型技術の蓄積が図
られております。バークや木屑を利用した野菜・園芸用ポットの代替培地としての用途拡大が
期待され、生物資源再生のための新たな付加価値技術として確立されるものと思われます。
これらの成果は、バークや木屑などの用途拡大、循環型資源活用技術として環境に配慮した加工技術として業
界からも注目されており、実用化へ大きな期待が寄せられています。 (斉藤雅樹 saito@ oita-ri.go.jp)